音楽サバイバル。

非常勤講師、ピアノ教室講師、伴奏ピアニスト、部活動外部指導員…様々な働き方を通して学んだこと、少ないですが紹介してます。

音楽の非常勤講師 お給料や働き方・やりがいについて

 

今日は非常勤講師のお給料ややりがいについて書きます。

非常勤講師の色々って…どこにも載ってないんですよね。。。

 

 

非常勤講師とは?

 

みなさんが日頃読んでいる「先生」には種類があります。ザッッックリ分けると…

「教師」「常勤講師」「非常勤講座」

となります。

 

その中でも、非常勤講師は教採に合格せずとも(受験しなくとも)なる事の出来るお仕事です。

そして、常勤講師と異なり、

限られた時間の中だけ学校で働く職種になります。

 

読み飛ばしてもOKです。

⚫︎非常勤講師の仕事のしくみ↓

非常勤講師は、学校から直接依頼が来るわけではありません。

まず、講師希望者自身が、自治体の教育委員会に『講師登録』をし、(やり方はお住まいの地域+講師登録で、検索して下さい。)

教育委員会が、派遣会社のように学校と講師を仲介してくれます。

学校から教育委員会に「人手不足なので、人を派遣して下さい!」という要請があった際に、教育委員会から講師宛に連絡が来ます。

学校や教育委員会と自分の相談(時間・曜日・業務内容)後、マッチして初めて学校との顔合わせです。もちろん、こちらの希望に合わなければ、断る事もできます。

※3月頃に教育委員会に出した希望の曜日に、5月に他の職に就いていたケースなど。

なので、非常勤講師の申し込みをしたからといって、必ず非常勤講師に声がかかる訳ではなく、

申し込みをしたからといって、必ず申し込み曜日を空けて待たなければいけないということではありません。(結構タイミング大事かも)

 

 

非常勤講師のお給料や生活

 

気になるお給料や生活についてですが…

お給料については、自治体にもよるかもしれませんが…少なくとも時間給でアルバイトの3倍くらいの額がいただけます。

 

沢山の授業の枠を受け持つ程、給料も多くなる訳ですが…受け持つコマ数については、

人事の方との話し合いになります。

 

※ 非常勤講師のお給料だけで生活できるケースと、そうでないケースがあるので確認が必要です。

 

生活可能レベルとしては、週10コマ程入ればギリギリ生活可能です。(一コマは50分程度)

非常勤だけの生活が厳しいケースも多いので、二つの学校を掛け持ちして働いている先生や、アルバイトをしている先生もいます。私の知り合いには、ピアノ講師と掛け持ちして非常勤講師をやっている方もいます。

 

ちなみに、祝日や長期休暇など授業を受け持たない日はお休みになるケースがほとんどです。(その間のお給料は発生しないので注意が必要です。

 

 

音楽・非常勤講師の大変な面

 

非常勤とはいえ、普通の先生と同じだけの授業レベルが求められます。

私が音楽の非常勤講師をしていて大変だったのは、

①合唱指導と、②授業準備 ③雇用の不安定さ でした。

順に説明します。

 

【大変だった面①合唱指導について】

私は声楽や合唱を沢山習ったりしてきたつもりでしたが、ピアノ専攻だったので合唱指導は本当に手こずりました…。

特に、男子生徒への指導や、歌おうとしない生徒などの指導…

生徒たちは、音楽教室の生徒と違って、音楽を習いたくて来ているわけではありません

なので、音楽の知識はもちろん、いかに生徒のメンタルを合唱に向かわせるか。

という教師的な技能が必要になってきます。

(中学校の先生だと、声を荒げて注意をしたりしなければならない体力的な面も必要になる時もあります。または、楽しんで歌わせるエンターテイメント性。)

 

 

【大変だった面② 授業準備】

そして、大変だった2つ目は授業準備でした。

非常勤講師は、普通の会社員の新人とは違って誰も教え方を教えてはくれません。

基本的に授業は1人ですし、常勤の先生と異なり研修もありません。職員室の先生方も忙しすぎて、話す余裕はほとんどありません。笑

大人数の前に立って説明するだけでも、緊張するのに、1人で楽譜や音符が読めない生徒たちに音楽を分かりやすく教えなければならないのです。

しかも、合唱や日本芸能、オペラなど専門外の事も教えなければならない…

 

その為には(そうでなくとも)準備が必要不可欠となりますし、事務作業も大量にあります。

主な事務作業は以下の通り。

 

・プリント作成(私は2時間かけていました。)

・パワーポイントの制作(7時間程かけていました。)

・板書のレイアウトを考える

・授業のアイディアを捻ったり、説明のための資料を集める。(これが一番かかるかも。常にしていました。)

・成績評価(1クラス2.3時間程)

・ノート点検(コメントしっかり記入するなら、かなり時間かかります。)

 

等…オールで準備をする日や、深夜3時頃まで起きて準備をする日もザラにありました。

しかし、中学校、高校の授業なら一つの授業を作っておけば同じ学年で授業を使い回すことができるので、一番大変なのは初年度を乗り切れば、少し楽かも!

 

 

【大変だった面③ 雇用の不安定さ】

また、雇用面も心配な部分が多かったです。

非常勤講師は、大抵1年間ごとの契約になります。

なので、県や市の教育にかける費用が急激に減った場合など、年によっては非常勤講師希望者に声がかからない事もあります。

 

また、雇用決定から採用までの期間が(私の場合)かなり短かったことも大変だった事のひとつです。

私は、声が掛かって1.2週間ほどで採用になりました。(これは自治体にもよると思います。)

それだけ教育現場は日々変動しながら、逼迫していますし、役所との連携が取れていない事が多いのだと思います。

 

※声がかかるか分からない・声がかかったとしても採用日ギリギリまでは通知されない事が多い対策として…

非常勤講師に申し込んだら、

講師のお給料のみを頼りにするのではなく貯金を沢山しておく、配偶者のお給料で採用が決まるまで支えてもらう、アルバイトの求人等に目を通しておく。

など、採用されてもされなくても大丈夫な環境を自分で作り上げておくことが大切です。(普通の働き方と異なりますが、仕方ない。)

 

 

非常勤講師のやりがい

 

そんなに大変な事務作業を待ってしても、非常勤講師は魅力でいっぱいです。

 

音楽の知識がゼロの子供に、音楽について教えられる喜びは計り知れません。また、授業が終わった後に話しかけてくれる子供達や、部活や家庭、友達の話をしてくれる子供まで…

沢山の子供たちと関わる事ができます。

(私は非常勤講師のお仕事をして人生観が変わりました。)

 

他の音楽系の仕事をやっていて感じるのは、

非常勤講師は、(ピアノ講師や合唱団員と比べると)一番子供たちと密に関わる事が出来ます。

 

 

それでいて、お給料もとても高い仕事です。

音楽系の職に就いて、通常ではいただけないようなお給料をいただくことで、仕事のモチベーションにもなります。

 

 

他の音楽系と比較して向いている人

 

  • 子供が好きな人
  • 個人より、集団を相手にする方が得意な人
  • 教師になるか迷っている人
  • ピアノ講師のお給料面に不安がある人(声がかかれば、並行して勤務することができます。)
  • 他の先生達とのコミュニケーション力がある人(合唱コンクール時期は、担任の先生方とのやりとりがかなり求められます。)
  • 空気が読めて洞察力のある人。(伝えている相手が何を考え、どういう考えで行動を起こしたのか何となく読み取れる事が大切です。)
  • 声が大きい人
  • お給料よりもやりがい重視の人(実際、お給料は高いですが残業も多いのでトントンです。)
  • 学ぶことが苦ではない人。(学びの連続です。)
  • パワーポイントやプリント作成などPCを使うので、パソコンが著しく苦手な人は大変かも

 

税金について

 

非常勤講師にかかる税金はどうなるのでしょうか?

少なくとも私の例ですが…

私が働いていた学校だと、二校掛け持ちで非常勤講師で生活していた時期は、普通のサラリーマンと同じように、税金を引いた額を給与としていただいていました。

 

そのため、確定申告は必要ありませんでした。

(※自治体によっても異なるかもしれないので、確認は必要です。)

 

 

 

求められる音楽知識・技能について

 

 

非常勤講師に求められる音楽知識についてですが、

とにかく歌のスキルが求められると思います。

自分が上手く歌えること+人の歌声を聞ける力+歌を教える引き出しの多さです。

 

合唱の教え方の勉強方法についてはまた他の記事にまとめようと思います。

 

あとは、指揮。

合唱コンクール前には、特に指揮の生徒のオーディションをしたり、指揮を教えなければならない期間があります。

最低限でもいいので、両手で指揮を曲にあわせて振る技術が必要だと思います。(拍子だけでなく、曲調に合わせた表現方法も。)

 

ピアノのレベルについては、さほど高くなくとも大丈夫です。また、音楽史的な内容を教える際も、大学を出ていれば問題はないですし、調べながら、他の先生に相談しながら教えればそれほど心配はありません。

 

歌と歌を引き出すスキルと、話したり指示を出す・パフォーマンスするスキルが大切です。

 

 

他の音楽系の職業と比較して感じたこと

 

非常勤講師を他の音楽系の職業と比較すると、

とにかくお給料面が高いです。

(他の音楽系が低すぎるだけなのかもしれませんが。笑)

あとは、子供達と触れ合える時間が1番長い仕事でもあります。

ピアノ講師をやっていると、どうしても各個人のパーソナルな所まで知らない事が沢山あります。

対話というより、技術力の向上が求められるので仕方ないですが…

 

 

音楽の非常勤講師の需要について

 

音楽の非常勤講師は、お給料も高く、子供とも触れ合える素敵な職業ですが…

落とし穴があります。

 

それは、需要が少ないことです。

大抵、1〜6クラス程の学校であれば、音楽教師は各学校に1人です。

何か事情があるか、よほどのマンモス校か、産休などで先生が休まない限り、音楽の非常勤講師の需要はあまりありません。

 

運が良ければオファーが来る

という感じです。

 

なので、余り期待しすぎず、他の就職先を探しつつ気長に待つ事が懸命な判断かと思います。

(オファーが来るのは、採用の直前であることも多いので、本気で非常勤講師がしたければ、兼業の仕事に少し余白を持たせておくことをおすすめします。)

 

非常勤講師になるには?

 

『お住まいの県名・地方名』+『非常勤講師』と検索して下さい。(非常勤講師という名前以外の名前がヒットする事もあります。兼任教員など)

初年度は、ホームページからの応募になるかと思います。

 

 

音楽の非常勤講師 やりがいと大変なところまとめ

 

以上、ザックリでしたがまとめると…

  • 音楽系の仕事の中でも安定したお給料が手に入るお仕事
  • ただし、安定したお給料がいつまでどれぐらい入るかは分からない。また、希望しても職に付けるかはタイミングや運が大きい。
  • 子供と接する機会が多くやりがいが多い。
  • 授業準備や、合唱指導が大変。
  • 音楽を教える楽しさが実感できる。

 

こんなところでしょうか。

今後書いていこうと思いますが、私が一番はじめに就いた職は非常勤講師のお仕事でした。

教師になる予定のなかった私の人生観が変わる程、魅力的な仕事ですので、是非志のある方には携わって欲しい職業だと思います。

 

ではまた!

※質問などあれば、気軽にメッセージ等ください。また、説明に誤りなどあっても、素人&若手講師のブログです。あまり気にせず読んでください…